| |
 |
 |
|
|
|
| |
|
|
昔は、本は今よりもずっと特別な存在でした。
フランス、ベルギー、ドイツなどでは、本はアンカット(仮とじ)の状態で
売られていて、さし絵もほとんどなく、表紙はシンプルに白地にタイトルのみ。
ペーパーナイフで、つながったページを切り開きながら読んで、
その本が特に気に入ったり、お金に余裕があったりした場合にだけ、
職人に頼んで自分好みに革装丁に仕立てさせる、
そんな習慣が長く続いていました。
製本が工業化されたのは、1820 年頃からです。
発行部数が増えて、表紙には革の代わりにクロスが使われるようになると、
本の内容に合わせて装丁もデザインされ始めました。
職人芸とは違う、売るためのグラフィックデザインです。
ヨゼフ・チャペックの装丁は、そういう時代を経て生まれました。
たくさんの人が手に取れるように、量産しても魅力が損なわれること
のないように、なにより本の中身に興味を持ってもらえるように。
そして、リノリウム版画の素朴な質感や、ユーモアのある線画、色づかい、
彼のデザインには、どうしても出てきてしまう独特の温かみがあります。
ヨゼフ・チャペックの弟、カレル・チャペックは
「長い長いお医者さんの話」や「ダーシェンカ」で知られているチェコの作家です。
カレルの本を中心に、10 数年間でヨゼフが装丁したのは約 500 冊。
『チャペックの本棚』には、そのうち 119 点が収録されています。
1 ページに 1 点、どの見開きも楽しく、
本好きにはたまらない完全保存版の 1 冊です。 |
|
| |
|
 |
|